『抗HMGB1抗体治療の可能性』 外傷性脳障害と神経因性疼痛に対する抗HMGB1抗体治療

  • 大熊 佑
    岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 薬理学 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経外科学
  • 伊達 勲
    岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経外科学
  • 西堀 正洋
    岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 薬理学

書誌事項

タイトル別名
  • Anti-HMGB1 antibody therapy for traumatic brain injury and neuropathic pain
  • コウHMGB1 コウタイ チリョウ ノ カノウセイ : ガイショウセイ ノウ ショウガイ ト シンケイインセイ トウツウ ニ タイスル コウHMGB1 コウタイ チリョウ

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抄録

脳外傷後に必発する脳浮腫は,しばしば脳ヘルニアを生じ致命的となる.脳浮腫はまた,脳低酸素症を増悪し,その結果脳障害を助長する.脳外傷急性期における患者の救命と神経後遺症の軽減化のために,急性期の脳浮腫を制御することは極めて重要である.しかし現在,エビデンスを伴う薬物治療法はない.最近,脳虚血時の炎症惹起物質として核内DNA結合タンパク質であるhigh mobility group box-1(HMGB1)が注目されている.HMGB1を標的とする抗体治療は虚血性脳障害に有効であったが,最近外傷性脳障害にも著効することが動物実験で明らかにされた.さらに神経因性疼痛の動物モデルでも抗体治療の有効性が示された.抗HMGB1抗体の作用機序について概説する.

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