C<SUB>3</SUB>,C<SUB>4</SUB>植物の葉からのCO<SUB>2</SUB>放出速度に及ぼす光の影響 : Ko<SUB>K</SUB>効果に関連して

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Light on the CO<SUB>2</SUB> Evolution of C<SUB>3</SUB> and C<SUB>4</SUB> Plant in Relation to the K<SUB>O</SUB>K Effect
  • C3,C4植物の葉からのCO2放出速度に及ぼす光の影響--Kok効果に関連して〔英文〕
  • C3 C4 ショクブツ ノ ワ カラ ノ CO2 ホウシュツ ソクド ニ オヨ

この論文をさがす

抄録

著者らはKoK効果(光-光合成曲線が光補償点近辺で折れ曲る現象)が,C3植物にはみられるがC4植物にはみられないこと,C3植物でも低酸素濃度の空気中ではみられないことを先に発表し, KoK効果が光呼吸に関係するものであることを示唆した. 本報告では,CO2-free airへのCO2放出速度(CE)を,異なる光強度の下で測定することにより暗呼吸,光呼吸の速度と光の強さの関係を調べ,呼吸速度と光強度の関係という面からKoK効果の原因を明らかにしようとした. 1. イネのCEは光補償点(LCP)以下の光の下では光が強くなるに従がい減少し,LCP以上の光の下では光が強くなるに従がい増加した. このように, CEと光の強さの関係はLCPを境に全く逆の傾向をたどり,その結果CEはLCP付近で鋭い折れ曲りを示した. 2. 光の強さがLCP以下の部分をPhase 1,以上の部分をPhase 2と呼ぶと,C3植物のイネのCEはPhase 2において酸素濃度に強く影響され,2%の酸素濃度下ではほぼ0になった. 3. トウモロコシのCEはPhase 1ではほぼイネと同じ傾向を示したが,Phase 2ではほぼ0であった. 4. 以上のことからPhase 1におけるCO2放出は暗呼吸に,Phase 2におけるCO2放出は光呼吸に由来するものと考えられた. 5. したがって,みかけ上暗呼吸はLCP以下の弱い光で阻害され,光呼吸はLCP付近の光強度から始まり,光の強さにともなって増加する. 6. CEはPhase 1においても,Phase 2においても温度に強く影響され,温度が高くなるにつれCEは増加すると共に,Phase 1からPhase 2に切り替る光の強さは高照度側に移行する. 7. 本実験で得られたCEと光の強さの関係は,C3植物,C4植物のKoK効果の有無と対応しており,C3植物におけるKoK効果は主に光呼吸に起因していることが推察された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ