山形県庄内地域における2004年台風第15号および第16号による ダイズ潮風害の実態

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タイトル別名
  • The Actual State of Soybean Plant Damage of Yamagata Prefecture Caused by Typhoon No.15 and No.16 in 2004
  • 栽培 山形県庄内地域における2004年台風第15号および第16号によるダイズ潮風害の実態
  • サイバイ ヤマガタケン ショウナイ チイキ ニ オケル 2004ネン タイフウ ダイ15ゴウ オヨビ ダイ16ゴウ ニ ヨル ダイズ シオカゼガイ ノ ジッタイ

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抄録

山形県庄内地域では,2004年8月20日および8月31日に東北地方の日本海側を通過した台風第15号および第16号に伴ってダイズ被害が発生した.2004年産ダイズの市町村別収量は1994~2003年の平均値と比較すると18.1~50.8%であり,台風第15号および第16号に遭遇して収量が大きく低下した.庄内地域におけるイネの作況指数は87であり,ダイズはイネに比べて甚大な被害が発生した.また,ダイズの収量は,台風第15号による潮風被害をより強く受けた庄内地域北部の市町村が,南部の市町村に比べて低かった.庄内地域北部では,台風第15号通過直後に小葉が脱水症状を示したのち縮葉褐変し,やがて早期に落葉した.さらに,庄内地域北部における8月23日の小葉褐変症状は,北になるほど,また海岸線から調査地点の距離が短いほど被害程度が大きい傾向を示した.登熟期間である2004年8月23日に潮風害の少なかった庄内地域南部に位置するダイズ圃場において海水を散布し,収量関連形質に及ぼす影響を検討した結果,成熟期の全重,稔実莢数,稔実粒数,子実重,および百粒重は海水散布により減少し,海水散布量と有意な負の相関を示した.その要因として,海水散布量が多くなるほど縮葉褐変および早期落葉する小葉数が増加し,光合成産物および窒素量が子実へ転流する量が減少したこと,および奇形莢が増加して正常な莢数が減少したためと推定された.以上のことから,山形県庄内地域では両台風に伴った強風によりダイズの収量が低下し,さらに北部では台風第15号に伴う潮風害により,南部に比べて収量が低下したことが明らかになった.

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