遺伝子マーカーを用いた褐藻ワカメ移入集団の起源・動態解析と緑藻アオサ類移入集団の検出(<特集1>生物学的侵入の分子生態学)

書誌事項

タイトル別名
  • Origin and dynamics of the introduced populations of <i>Undaria pinnatifida</i> (Phaeophyceae) and detection of introduced populations of <i>Ulva</i> spp. (Ulvophyceae) by the analyses using molecular markers(<Feature 1>Molecular approaches to the study of biological invasions)
  • 遺伝子マーカーを用いた褐藻ワカメ移入集団の起源・動態解析と緑藻アオサ類移入集団の検出
  • イデンシ マーカー オ モチイタ カッソウ ワカメ イニュウ シュウダン ノ キゲン ドウタイ カイセキ ト リョクソウ アオサルイ イニュウ シュウダン ノ ケンシュツ

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説明

海運などによる大陸間移入が問題となっている大型海藻ワカメ、アオサ類を対象に、日本を含む東アジア、オセアニア、北米太平洋沿岸などの集団を中心に遺伝的多様性の解析を行い、その起源と動態につき考察した。その結果、代表的な食用海藻であるワカメ(褐藻コンブ目)は、ミトコンドリアcox3+tatC-tLeu遺伝子を用いたハプロタイプ解析から、原産地北東アジアの集団は大きく1)大陸タイプ;2)北日本タイプ;3)本州太平洋岸タイプ;4)日本海タイプの4つの系統群に区分され、これらとの比較に基づき欧州、北米、オセアニア、南米などの海外移入集団の起源を推定した。またニュージーランドについては古い乾燥標本の解析を含む、より詳細な比較を行った結果、侵入後現在までに優占集団が変化してきた経過が明らかになった。一方、港湾を含む浅い沿岸域の代表的な海藻であるアオサ類(緑藻アオサ目)について、三河湾と大阪湾において優占する個体群を対象に核rDNA ITS領域による分類を行った。その結果、これらの海域では優占集団が季節的に変化していることや、これまで日本で報告されていない種が定着・繁茂していることが確認された。

収録刊行物

  • 日本生態学会誌

    日本生態学会誌 59 (2), 145-152, 2009

    一般社団法人 日本生態学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (23)*注記

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