野生動物の保護管理における衛星リモートセンシング技術の適用(<特集>植生のリモートセンシング)

書誌事項

タイトル別名
  • Application of remote sensing techniques in wildlife management(<Feature>Remote sensing of vegetation)
  • 野生動物の保護管理における衛星リモートセンシング技術の適用
  • ヤセイ ドウブツ ノ ホゴ カンリ ニ オケル エイセイ リモートセンシング ギジュツ ノ テキヨウ

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抄録

野生動物研究への衛星リモートセンシング技術の適用は、航空機からの動物個体の識別や行動の評価から始まった。現在では、野生動物研究に対する衛星リモートセンシング技術は、野生動物の生息地を評価する目的に使用される事例が多い。野生動物に関係する生息地の指標を作り出す事や、野生動物の分布や行動と、環境要因との関係性を評価する事が求められている。さらに、潜在分布や生息適地を広域に地図化する事で、保全問題や獣害問題に対する効果的なゾーニングが期待されている。本稿では、近年の野生動物の保護管理における衛星リモートセンシング技術の適用例を挙げる。生息地の指標化や、ジャイアントパンダを対象とした生息地の分断化に関して、衛星リモートセンシング技術が果たした役割について述べる。また、生息適地の推定に対する事例研究として、ニホンザル分布域の長期間における変化を紹介する。これは、現地での野生動物の情報と衛星リモートセンシング由来の環境要因から生息適地を抽出し、生息状況の地図化を図った研究である。ここから、衛星リモートセンシング技術を用いた野生動物研究の可能性について考察する。

収録刊行物

  • 日本生態学会誌

    日本生態学会誌 64 (3), 253-264, 2014

    一般社団法人 日本生態学会

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