代謝スケーリングから見えた食う-食われるの関係(<特集2>代謝スケーリング理論:個体生理と生態系をつなぐ統合的アプローチ)

  • 八木 光晴
    長崎大学水産学部
  • 福森 香代子
    国立環境研究所生物・生態系環境研究センター
  • 小山 耕平
    京都大学生態学研究センター(日本学術振興会):石川県立大学生物資源環境学部植物生態学研究室
  • 森 茂太
    森林総合研究所植物生態研究領域
  • 及川 信
    九州大学大学院生物資源環境科学府附属水産実験所

書誌事項

タイトル別名
  • Prey-predator interactions derived from energy metabolism : reconsideration of ontogenetic metabolic scaling(<Feature 2>Metabolic scaling theories - linking ecophysiological processes to ecosystems)
  • 代謝スケーリングから見えた食う-食われるの関係
  • タイシャ スケーリング カラ ミエタ クウ-クワレル ノ カンケイ

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説明

生物の個体当たりのエネルギー代謝速度と個体サイズ(体サイズ)の関係(代謝スケーリング:metabolic scaling)を探る研究の歴史は古く、生理学、生態学、農学、水産学や薬理学など様々な学問の基礎をなしてきた。代謝スケーリング関係には、異なる体サイズを示す種の集団(代謝速度の系統発生)を対象とする場合と、ある種における様々な体サイズからなる個体の集団(代謝速度の個体発生)を対象とする場合とがある。過去の研究の多くは、哺乳類や鳥類などの代謝速度の系統発生を対象としてきており、代謝速度の個体発生は無視されるか、代謝速度の系統発生と同じであるかのように曖昧に扱われてきた。その一方で、代謝速度の系統発生と代謝速度の個体発生の生物学的な意味は明確に異なっており、両者は厳密に区別されるべきとの指摘もなされてきている。そこで本論では、代謝速度の系統発生と個体発生の違いの整理を試みる。さらに、代謝速度の個体発生が、これまで生態学において重視されてきた「食う-食われるの関係」をはじめとする生物間相互作用と密接に関係し合っていることの実証例を紹介し、今後の研究の方向性について議論する。

収録刊行物

  • 日本生態学会誌

    日本生態学会誌 63 (1), 103-112, 2013

    一般社団法人 日本生態学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (97)*注記

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