河口干潟における河川由来有機物の動態と底生動物による利用(<特集1>河川における粒状有機物の移動と水生生物による利用-河川上流から沿岸海域における各場の特性と共通点)

書誌事項

タイトル別名
  • Dymanics and biological use of riverine organic matter in estuarine tidal flats(<Feature 1>Movement and biotic utilization of particulate organic matter in fluvial systems: their general and specific properties between upstream and coastal area)
  • 河口干潟における河川由来有機物の動態と底生動物による利用
  • カコウ ヒガタ ニ オケル カセン ユライ ユウキブツ ノ ドウタイ ト テイセイ ドウブツ ニ ヨル リヨウ

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抄録

河川由来有機物の河口域の有機物プールへの寄与や二次生産への役割は、世界各地で研究されている。しかし、河口域における河川由来有機物の生態学的な重要性については、河口によって異なる結論が導かれており一貫した傾向は示されていない。では、河口域における河川由来有機物の動態と生物による利用を左右するのはどのような因子なのだろうか。本稿ではそのような視点から、筆者がこれまでに行ってきたフィールド研究を中心に既往の知見を整理した。その結果、河口域に生息する二次生産者にとっての河川由来有機物の重要性が、河口へ流入する河川由来有機物の質・量・サイズ、河口域に生息する生物の摂餌・同化における選択性、および微生物作用による有機物の質的改変によって大きく変わるものと考えられた。今後、これらの因子の勾配上に河口域を配して考えることで、これまで河口ごとに異なる結論が導かれてきた河口域生態系における河川由来有機物の役割についての知見を統一的に整理することが可能となるかもしれない。

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