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- 深谷 直弘
- 法政大学大原社会問題研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Placing Memory and the Preservation of Atomic Ruins:
- 被爆建造物の保存と記憶の継承 : 長崎・新興善小学校一部校舎保存問題を事例に
- ヒバク ケンゾウブツ ノ ホゾン ト キオク ノ ケイショウ : ナガサキ ・ シンコウ ゼン ショウガッコウ イチブ コウシャ ホゾン モンダイ オ ジレイ ニ
- 長崎・新興善小学校一部校舎保存問題を事例に
- A Study on the Preservation of Shinkozen Elementary School, Nagasaki
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抄録
本稿は, 長崎・新興善小学校校舎保存問題を事例として, 建築物・場所をめぐる記憶実践を権力との対抗関係だけに着目するのではなく, 各集団の記憶の対立という視点から, 記憶とモノ, 社会の関係性を検討した. 市の解体決定プロセスと保存をめぐる態度の分析を通じて見えてきたのは, この保存問題は, 保存/解体の対立ではなく, 場所の記憶をめぐる対立であったということである.<br>現物保存を訴えた保存運動側は, 「校舎」が被爆者のかつての治療の場であったことから, 現物保存するよう訴えた. 他方, 再現展示 (メモリアル・ホールとしての保存) を訴えた新興善小学校関係住民は, 「校舎」をあくまで「母校」として捉えていた. そのため, 被爆者の治療の場であった頃の記憶は「校舎」には見出していなかった. むしろ「母校」の中で受け継ぐべき原爆の記憶は小学校内の行事である献花・慰霊祭や平和学習にあった. つまり, 同じ小学校校舎を, 救護所としてみるか, それとも, 母校としてみるのかによって, 両派の保存の態度が違いとなって現れたのである.<br>本稿で明らかになったことは, 被爆建造物の保存において, 同じ建物・場所であっても, 複数の記憶が交錯しているがゆえに, 各場所の記憶同士の対立や矛盾があるということ, モノそれ自体がもつ原爆体験を想起させる力は, 保存を主張する側の文脈に沿って, 都合よく創られるものではないということである.
収録刊行物
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- 社会学評論
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社会学評論 65 (1), 62-79, 2014
日本社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679270387200
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- NII論文ID
- 130005084952
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- NII書誌ID
- AN00109823
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- ISSN
- 18842755
- 00215414
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- NDL書誌ID
- 025637911
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可