高齢者の皮膚そう痒症および皮脂欠乏性湿疹に対するセチリジン塩酸塩(ジルテック錠)の有用性の検討

  • 進藤 真久
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 山田 七子
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 山元 修
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of Cetirizine Hydrochloride (Zyrtec) for Senior with Pruritus or Asteatotic Eczema
  • 治療 高齢者の皮膚掻痒症および皮脂欠乏性湿疹に対するセチリジン塩酸塩(ジルテック錠)の有用性の検討
  • チリョウ コウレイシャ ノ ヒフソウヨウショウ オヨビ ヒシ ケツボウセイ シッシン ニ タイスル セチリジン エンサンエン ジルテックジョウ ノ ユウヨウセイ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

65歳以上の皮膚そう痒症および皮脂欠乏性湿疹患者に対して,セチリジン塩酸塩(ジルテック®錠)の有効性と安全性について検討した。痒みの推移および掻破痕の推移について,2週後,4週後において有意な改善がみられた。有害事象はみられず,総合評価の有用度ではすべての例で有用であった。セチリジン塩酸塩10mgを2週間経口服用し,全般改善度が「軽度改善」以下の症例,あるいは患者満足度が「やや不満」以下の症例に対して,セチリジン塩酸塩1日1回20mgに増量してその改善効果を検討した。結果として,セチリジン塩酸塩1日1回20mgに増量することによって,10mg1日1回服用で満足のいく症状改善効果を得られなかった症例の症状を有意に改善できた。また,全般改善度においてもセチリジン塩酸塩20mg1日1回服用に変更後,有意な改善が認められた。セチリジン塩酸塩は10mgの通常用量2週間の内服により76%で症状の改善がみられ,通常用量で効果不十分例でも20mgに増量することにより,合計で89%の改善度を示した。重篤な副作用もみられず,安全性も高く,有用な薬剤の一つと考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 73 (1), 69-76, 2011

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (6)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ