アトピー性皮膚炎に対するヒスタグロビンの臨床効果と血しょうロイコトリエンB4値・血清ECP値との相関性

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タイトル別名
  • The correlation between clinical effects and blood plasma leukotriene B4 value, serum ECP value of the Histaglobin for atopic dermatitis.

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アトピー性皮膚炎患者69例に対し, ヒスタグロビン®(Histaglobin®: 以下HG)適量療法〔初回1 vialで4回投与後, 効果不十分例(軽度改善以下の症例)に対し, 2 vialに増量し4∼6回の投与を行う方法〕を実施し, その治療効果の検討を行うとともに, 同期間中のアレルギーパラメーター(血中好酸球数, 血中ヒスタミン値, 血漿ロイコトリエンB4(LTB4)値, 血清eosinophilic cationic protein(ECP)値)の変動を検討した。HG 1 vial投与における1st stage終了時の全般改善度は, 「中等度改善以上」42例, 60.9%であった。また, 1st stageでの効果不十分例, 即ち「軽度改善以下」の症例22例(脱落症例は除く)に対し, 2 vial投与を行った2nd stage終了時での全般改善度は, 「中等度改善以上」18例, 81.8%で, 2 vialに投与量を増量することにより改善度の上昇が認められた。試験期間中の副作用は1例も認めず, 概括安全度についても全例問題はなかった。1st stage終了時の有用度は, 「有用以上」で62.3%, 2nd stage終了時では72.7%と高い有用率が認められた。試験期間中, 測定しえた全症例のアレルギーパラメーターの推移では, 血中好酸球数, 血中ヒスタミン値, 血漿LTB4値には, HG投与前後に全体としては有意の変動は認められなかった。血清ECP値に1st stage終了時, 有意(P<0.05)の上昇が認められた。血清ECP値は好酸球数, 重症度に相関するようにみられたが, HGの臨床効果とは関係なかった。また, 試験開始時の血漿LTB4値が100pg/ml以上であった18例においては, 1st stage終了時きわめて有意(P<0.01)な低下が認められた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 56 (5), 1055-1064, 1994

    日本皮膚科学会西部支部

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参考文献 (7)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679274435328
  • NII論文ID
    130004831018
  • DOI
    10.2336/nishinihonhifu.56.1055
  • ISSN
    18804047
    03869784
    http://id.crossref.org/issn/03869784
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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