血液透析患者に生じた糖尿病性壊そにγリノレン酸の内服が有効であった症例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetic Gangrene in a Hemodialysis Patient Successfully Treated with the Oral Administration of .GAMMA.-Linolenic Acid.

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抄録

糖尿病性腎症による慢性腎不全のため4年前より血液透析中の66歳,男。左足底の小趾側の胼胝に二次感染を併発し,骨の露出する壊疽を生じた。抗生物質,プロスタグランディンE1製剤の点滴,足浴,種々の軟膏による局所処置を連日行ったが難治性であったため,多価不飽和必須脂肪酸の1つであるγリノレン酸300mg/日を投与した。内服開始後の肉芽形成は良好で,約16週間後に瘢痕治癒した。その後,同部に慢性化膿性骨髄炎を併発していることが明らかになったが,γリノレン酸の内服を継続させ抗生物質を一時的に投与することで足趾を切断することなく治癒した。サーモグラフィにて,γリノレン酸内服後に著明に皮膚温が上昇していることを確認した。γリノレン酸の末梢循環不全に対する有効性を述べるとともに,その機序について考察した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 64 (5), 595-599, 2002

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (18)*注記

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