皮膚潰瘍を伴った皮膚筋炎の1例

  • 鍬塚 大
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野
  • 三根 義和
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野
  • 小川 文秀
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野
  • 竹中 基
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野
  • 佐藤 伸一
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野
  • 石川 博士
    国立病院機構長崎医療センター皮膚科
  • 宿輪 哲生
    国立病院機構長崎医療センター皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Dermatomyositis with Skin Ulcers
  • 症例 皮膚潰瘍を伴った皮膚筋炎の1例
  • ショウレイ ヒフ カイヨウ オ トモナッタ ヒフ キンエン ノ 1レイ

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抄録

47歳,男性。初診の9ヵ月前に手指の紅斑·腫脹と関節痛が出現し近医内科を受診した。膠原病が疑われプレドニゾロン(prednisolone; PSL)12mg/dayの投与を開始したが症状は改善しなかった。6ヵ月前より背部と手背の皮膚潰瘍を認めるようになり,四肢の筋力低下と労作時の息切れも次第に伴うようになったため,2005年12月下旬に当科を受診した。初診時ヘリオトロープ疹,Gottron徴候を認め,皮膚生検の結果とあわせ皮膚筋炎と診断した。また,胸部CTで間質性肺炎を認め,心エコー上,軽度の肺高血圧症が明らかとなった。治療として,ステロイドパルス療法の後PSL 60mg/dayおよびシクロスポリン200mg/dayの内服を行った。皮膚潰瘍に対し,basic fibroblast growth factor製剤およびprostaglandinE1軟膏の外用を行い,肺高血圧症に対してはベラプロストナトリウムの内服を行った。間質性肺炎,肺高血圧症に対する治療反応性は概ね良好であったが,皮膚潰瘍の根治にはおよそ7ヵ月を要した。悪性腫瘍の合併は認めなかった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 69 (6), 605-609, 2007

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (14)*注記

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