-
- 工藤 素彦
- 弘前大学医学部皮膚科教室
書誌事項
- タイトル別名
-
- Sport-Dermatological Study of Skin Diseases
抄録
高校運動部男子選手1,088名について非選手(文化部)117名, 同一年代皮膚科外来男子患者391名を対照として皮膚疾患の実態を調査した。有病率は選手群94%, 非選手群59%, 有病者におけるスポーツ関連症例は前者71%, 後者13%, 選手群のおもな疾患は, 胼胝腫72%, 尋常ざ瘡52%, 足白癬21%, 摩擦水疱14%, 外傷性瘢痕·色素異常9%, black heel 8%などであり, 非選手群では尋常ざ瘡41%, 胼胝腫20%, 足白癬12%, 外来患者では尋常ざ瘡7%, 足白癬1%などが共通にみられた。各スポーツ種目を通じての首位は胼胝腫で, とくに剣道, 硬式野球, 軟式庭球, 柔道では93∼87%にみられた。足白癬はバレーボール29%, 摩擦水疱は剣道24%, 尋常ざ瘡も剣道27%, black heelはバスケットボールの25%がそれぞれ最高であつた。またスポーツ関連症例頻度はblack heel, 摩擦水疱, 爪下出血, 表皮剥離が100∼98%と高率を示し, スポーツ訓練病害度を訓練妨害指数で比較すると, 総平均8.1を越えて10以上を示す要注意疾患は爪甲障害44, 足底疣贅19, 以下皸裂状湿疹, 摩擦水疱となる。次に胼胝腫の種目別好発パターンは, 趾MPJ屈側>指MPI屈側型を示すバスケット, 卓球, サッカー, ラグビーと指MPJ屈側>趾MPJ屈側型の軟式庭球, バレー, スキーに大別される。種目別の胼胝腫両側発生率はスキー, 柔道, ラグビー, バスケット93∼87%, サッカー, バレー70%で硬式野球, 剣道, 卓球65∼52%, 軟式庭球23%は上位4種目に比し明らかに低く, 軟式庭球はほかの全種目に比し有意の低率を示した。
収録刊行物
-
- 西日本皮膚科
-
西日本皮膚科 49 (4), 661-670, 1987
日本皮膚科学会西部支部
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679276059264
-
- NII論文ID
- 130004473292
-
- ISSN
- 18804047
- 03869784
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可