Bloom症候群の姉妹例

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タイトル別名
  • Bloom’s Syndrome in Siblings
  • Bloom ショウコウグン ノ シマイレイ

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抄録

5才と4才のBloom症候群の姉妹例について, その症例呈示を行い, 患者リンパ球と線維芽細胞を用いた実験結果を付した。姉妹とも満期正常分娩であつたが, 生下時体重, 身長は姉1870g, 38cm, 妹1805g, 42cmと小さかつた。初診時, 姉妹は頬部に毛細血管拡張を伴う紅斑を認めた。この紅斑は姉が2才半, 妹が1才半の時から出現した。姉妹とも躯幹, 四肢にcafé-au-lait spotと脱色素斑を認めた。精神発達は正常であり, 奇形はみられなかつた。一般血液検査では血中IgA, IgMの低値以外異常は認めなかつた。2例ともgap, breakなどの染色体異常を多く認めた。姉妹染色分体交換頻度はリンパ球で正常の約10倍, 線維芽細胞でも約7倍高値を示した。両親の染色体異常の出現頻度, 姉妹染色分体交換頻度は正常範囲内であつた。患者線維芽細胞を用いて, 遠紫外線(254nm)に対する致死感受性を検討した結果, 健常者由来の細胞とほぼ同等であつた。また不定期DNA合成の能力は正常範囲内であつた。現在までに本邦で報告された中で姉妹染色分体交換頻度の記載のある6例のBloom症候群を中心に本症の皮膚症状, 光過敏性, 姉妹染色分体交換について若干の文献的考察を行つた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 44 (6), 936-944, 1982

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (22)*注記

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