急激な経過をとった皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫の1例

  • 大西 明美
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 吉田 雄一
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 山元 修
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 林 一彦
    鳥取大学医学部基礎病態医学講座分子病理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Aggressive Subcutaneous Panniculitis-like T-cell Lymphoma
  • 症例 急激な経過をとった皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫の1例
  • ショウレイ キュウゲキナ ケイカ オ トッタ ヒカ シボウ ショクエンヨウ Tサイボウ リンパシュ ノ 1レイ

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説明

69歳,女性。初診の1ヵ月前頃より左大腿内側に発赤,腫脹が出現した。近医で丹毒(疑い)と診断され抗生剤による加療を受けたが,症状はさらに悪化したため当科を受診した。初診時,下腹部から左大腿にかけて疼痛を伴う発赤,腫脹あり,大腿前面では径1cmのびらんがあった。末梢血検査で白血球減少を認めた。病理組織学的には,皮下の脂肪組織を中心に,中型から大型の異型リンパ球がびまん性に浸潤していた。免疫組織化学染色では,腫瘍細胞はCD3,CD8,CD45ROとGranzymeBが陽性,CD4,CD5,CD10,CD20,CD23,CD56,CD79αやmyeloperoxidaseは陰性であった。さらにαβ型のT-cell receptor(TCR)遺伝子の再構成が検出された。以上の所見から,皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫と診断した。診断確定後,当院血液内科へ転科し,Hyper-CAVD療法(cyclophosphamide,doxorubicin,vincristine,dexamethasone)を施行したが,多臓器転移,敗血症を来し初診からわずか3週間後に永眠した。剖検の結果hemophagocytic syndrome(HPS)を合併していたことが判明した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 71 (3), 275-277, 2009

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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