妊婦に生じた Henoch-Schönlein Purpura の 1 例

  • 後藤 寛之
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 森 裕美
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 吉田 雄一
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
  • 山元 修
    鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Henoch-Schönlein Purpura in Pregnancy
  • 症例 妊婦に生じたHenoch-Schonlein Purpuraの1例
  • ショウレイ ニンプ ニ ショウジタ Henoch-Schonlein Purpura ノ 1レイ
  • A Case of Henoch-Sch^|^ouml;nlein Purpura in Pregnancy

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抄録

36 歳の女性。妊娠 28 週時に出現した両下肢の紫斑を主訴に来院した。臀部から両大腿部,下腿にかけて癒合傾向のある palpable purpura が多数みられた。採血で腎機能は正常だったが,尿蛋白と尿潜血を認めた。病理組織学的に赤血球の血管外漏出と,真皮小血管壁のフィブリノイド変性を認めた。蛍光抗体直接法ではIgA が血管壁に沈着していた。Henoch-Schönlein Purpura (HSP)と診断し,プレドニゾロン 20 mg/日内服を行った。胎児に異常はみられず,妊娠 39 週に自然分娩し,尿蛋白と尿潜血も改善した。妊娠と関連した HSP 報告例は過去 24 例であった。その中には,重症の紫斑病性腎炎を合併し,胎児の予後が不良となった症例もあった。妊娠中に本疾患を発症した場合は注意を払う必要があるとともに,重症化する可能性がある場合は,十分な説明を行い,適切な治療を行うことが重要であると考えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (1), 3-6, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (7)*注記

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