ダーモスコピーで特徴的な所見を認めた毛包棘細胞腫 (Pilar Sheath Acanthoma) の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pilar Sheath Acanthoma with a Characteristic Pattern on Dermoscopy
  • 症例 ダーモスコピーで特徴的な所見を認めた毛包棘細胞腫(Pilar Sheath Acanthoma)の1例
  • ショウレイ ダーモスコピー デ トクチョウテキ ナ ショケン オ ミトメタ ケ ホウキョクサイボウ シュ(Pilar Sheath Acanthoma)ノ 1レイ

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抄録

75 歳の女性。約 20 年前より存在する鼻背部の径 3 mm の小結節を主訴に受診。病変の中央部は陥凹し角化物を有していた。ダーモスコピーにて陥凹部に柱状あるいは小塊状の角化性領域をいくつか認め,一部は辺縁から中心部へ向き伸びていた。局所麻酔下に切除した。病理組織像では表皮は中心部で大きく開大し,その中に小突起状に分かれた角質塊を有していた。その下には主に有棘細胞からなる小葉状の上皮が増殖していた。増殖する上皮の一部は胞体の明るい細胞質を有し外毛根鞘への分化を示していた。以上より毛包棘細胞腫 (pilar sheath acanthoma,以下 PSA) と診断した。PSA は現在までに本邦で8 例の報告のみと稀であり,海外の報告を含めダーモスコピーによる観察を行ったものはない。本症例で観察されたダーモスコピー像はルーペでも注意してみれば観察可能と思われるが,病理組織所見と照らし合わせ考えると PSA の臨床診断に有用な特徴的所見であり,これを central multiple horn pattern と呼ぶことを提唱し報告する。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (3), 199-201, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (1)*注記

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