角質増殖性病変をともなう足白癬に対する IKD-382 クリームの使用経験

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacyof IKD-382 Cream for Tinea Pedis with Hyperkeratotic Lesions
  • 治療 角質増殖性病変をともなう足白癬に対するIKD-382クリームの使用経験
  • チリョウ カクシツ ゾウショクセイ ビョウヘン オ トモナウ アシ ハクセン ニ タイスル IKD-382 クリーム ノ シヨウ ケイケン

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抄録

角質増殖性病変をともなう足白癬は外用療法に抵抗するとされ,従来外用抗真菌薬の臨床試験の対象にされることは少なかった。今回,この角質増殖性病変をともなう足白癬に対する 1.0%テルビナフィン塩酸塩と組織修復成分であるアラントイン,パンテノールを配合する IKD-382 クリームの有効性と安全性を評価した。本試験では試験期間を 8 週間に設定し,臨床症状 (皮膚症状ならびに自覚症状),菌陰性化,安全性を評価した。登録症例は 36 例で,そのうち経過が追えた有効性解析対象症例 29 例について,臨床症状の全般改善度を著明改善から悪化までの 5 段階で,また臨床症状の各要素を高度から症状なしまでの 4 段階で評価した。その結果,全般改善度は著明改善が 44.8%,中等度改善以上が 89.6%,菌陰性化率は 79.3%,総合効果判定は有効以上 が79.3%であった。臨床症状の要素別にみると,鱗屑および角質増殖に対する改善効果が顕著であり,いずれも 29 例中 18 例において 2 段階以上の改善が認められた。また安全性については 36 例全例で評価したが,副作用は認めなかった。以上より IKD-382 クリームは角質増殖性病変をともなう足白癬の治療に有用な薬剤であることが示された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 75 (5), 454-459, 2013

    日本皮膚科学会西部支部

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