成人期になり顕症化したFabry病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Fabry's Disease Diagnosed in Adult
  • 症例 成人期になり顕症化したFabry病の1例
  • ショウレイ セイジンキ ニ ナリ ケンショウカ シタ Fabryビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

33歳,男性。健康診断で蛋白尿を指摘され,近医より慢性糸球体腎炎の疑いにて当院内科を紹介され受診した。原因精査中に,両鼠径部から胸背部にかけて半米粒大までの紅色丘疹がみられ,当科を紹介され受診した。病理組織学的検査で,真皮乳頭層に拡張した毛細血管と襟状の表皮突起の延長がみられ皮膚被角血管腫と診断した。また電子顕微鏡的に,真皮血管内皮細胞と腎糸球体上皮細胞に電子密度の高いZebra bodyと呼ばれる糖脂質グロボトリアオシルセラミド(GL-3)の沈着がみられた。白血球中α-ガラクトシダーゼA活性(α-Gal A活性)は1%未満と低下しておりFabry病と診断した。遺伝子解析の結果GLA遺伝子Exon6第237位に現在までに報告されていないノンセンス変異を確認した。α-Gal A活性は1%未満であったが幼少時からGL-3沈着による臓器障害は無く,30歳で蛋白尿と皮膚被角血管腫を認めた稀な症例であった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 74 (3), 248-251, 2012

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ