家族性血管脂肪腫の 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Familial Angiolipomatosis
  • 症例 家族性血管脂肪腫の1例
  • ショウレイ カゾクセイ ケッカン シボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

80 歳,男性。高度貧血(Hb 3.6 g/dl)の精査のため当院へ救急搬送され,胃間葉系腫瘍(GIST)からの出血の診断で,外科へ入院となった。入院時の身体所見にて四肢,側胸部,季肋部,右前腸骨棘に直径2~3 cm の可動性良好な皮下腫瘤を認めた。神経線維腫症 1 型(NF-1)のうち 5~25%の患者に GIST を生じるとの報告があり,同疾患の鑑別のため当科紹介となった。患者本人には NF-1を示唆する皮疹やその他特異的症状は認めず,家族歴もなかった。しかし,患者の子にも同様の皮下腫瘤があり,また孫にも同様の皮下腫瘤があるとの問診から,精査を行った。その結果,患者,子の皮下腫瘤は病理組織学的には血管脂肪腫(angiolipoma)の診断であり,家族性血管脂肪腫の診断となった。血管脂肪腫はありふれた疾患ではあるが,その様な疾患が貴重な症例になり得ることを経験したため報告する。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (2), 97-99, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (10)*注記

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