G 群溶連菌感染による壊死性軟部組織感染症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • Group G Streptococcal Necrotizing Soft Tissue Infection
  • 症例 G群溶連菌感染による壊死性軟部組織感染症の1例
  • ショウレイ Gグン ヨウレンキン カンセン ニ ヨル エシセイナンブ ソシキ カンセンショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>G 群溶連菌感染により toxic shock-like syndrome (TSLS) に至った左下肢壊死性軟部組織感染症の 1 例を経験し,早期デブリードマンにより救命し得たため報告する。症例は 61 歳,左下腿特発性リンパ浮腫の女性。1 週間前より咽頭痛と感冒様症状を認め,3 日前から左下腿の疼痛,熱感が出現し歩行困難になった。蜂窩織炎が疑われ内科より紹介となったが WBC 11110/μl,CRP 25.86 mg/dl,CK 1781 U/l と高値を認めたため MRI を撮像したところ,T1 強調画像では腓腹筋の一部に高輝度を認め,出血と壊死を反映した所見を呈し,T2 強調画像では皮下組織と筋膜の輝度上昇を認めた。その数時間後,発赤,紫斑が急速に上行性に拡大し,壊死性軟部組織感染症と診断し全身麻酔下で緊急筋膜切開を施行した。翌日,血液培養から G 群 β 溶連菌が検出され,TSLS の診断基準を満たした。ピペラシリン,クリンダマイシン,メロペネムの投与およびヒト免疫グロブリン大量静注療法を併用した。炎症反応高値が遷延したため,残存壊死組織の確認のため第 5 病日に再度 MRI を撮像したところ,T1 強調画像で腓腹筋領域の高輝度領域が拡大していた。全身状態がやや落ち着いた第 18 病日に筋層表面に壊死を認めた腓腹筋,腓骨筋,前脛骨筋の部分切除を行った。炎症反応と臨床症状の速やかな改善を認めたため,第 37 病日に右大腿前面よりメッシュ植皮術を施行し,第 55 病日に退院した。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 78 (6), 644-649, 2016

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (8)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ