6,6-ナイロン : 製造法,プラスチック用途への展開(基礎化学品製造の実際と高校での教育実践)

  • 野崎 雅裕
    デュポン株式会社デュポンジャパン中央技術研究所パフォーマンスポリマー事業部研究開発部

書誌事項

タイトル別名
  • 6,6-ナイロン : 製造法,プラスチック用途への展開
  • 6,6-ナイロン : セイゾウホウ,プラスチック ヨウト エ ノ テンカイ

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説明

米国デュポン社により1938年に6,6-ナイロン(ナイロン66)が発表されたことで,ナイロンの歴史が始まる。当時の主たる用途は,「石炭(現在は石油)と空気と水より作られ,くもの糸よりも細く,鋼鉄よりも強い繊維」と記されたように,合成繊維としての用途であった。第二次世界大戦後には,6,6-ナイロンは,高い耐熱温度,さらにバランスの取れた強度/剛性と靭性,優れた耐薬品性を併せ持つ性質が認められ,高耐熱,高機能性プラスチック(エンジニアリングプラスチック)としての用途開発が活発に進められるようになった。様々な補強材,耐衝撃材,その他添加剤等で複合化,改質することにより,金属代替を含む様々な工業分野のニーズに応え,プラスチック用途は広がっている。本講では,6,6-ナイロンの重合プロセスの概要,さらに高等学校教科書や参考書では取り上げられていない,プラスチック用途への応用について説明する。また最後に,環境負荷の低減が強く叫ばれる近年の動向に対して,ナイロン樹脂の今後の方向性,展望についても簡単に触れる。

収録刊行物

  • 化学と教育

    化学と教育 59 (12), 614-617, 2011

    公益社団法人 日本化学会

参考文献 (2)*注記

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