宇宙で作る氷の結晶(ヘッドライン:凍る化学と凍らない化学)

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タイトル別名
  • 宇宙で作る氷の結晶
  • ウチュウ デ ツクル コオリ ノ ケッショウ

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抄録

国際宇宙ステーション「きぼう」において,氷点下に冷却した水中で氷結晶の成長実験を行った。結晶の成長に伴い発生する潜熱のため,結晶内部や周辺には温度の分布が生じる。水の密度は温度に依存して変わるため,地上の重力下ではこれに起因する対流が発生し,これを避けることはできない。これに対し,宇宙空間では,長時間にわたる極めて良質な無重力環境が実現されるため,対流が完全に抑制され,理想的な環境での結晶成長の観察が可能である。本実験では,宇宙で使う実験装置の開発を行い,宇宙での見事な氷結晶の成長の様子を世界に先駆けて観察し,映像に収めることに成功した。宇宙では,見事な対称性を持つ結晶パターンが観察され,氷結晶の形態不安定化のメカニズムの解明に大きく貢献した。

収録刊行物

  • 化学と教育

    化学と教育 60 (6), 238-241, 2012

    公益社団法人 日本化学会

参考文献 (14)*注記

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