塩酸タムスロシン発明秘話(ヘッドライン:日本から世界にはばたく新医薬品)

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タイトル別名
  • 塩酸タムスロシン発明秘話
  • エンサン タムスロシン ハツメイ ヒワ

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説明

塩酸アモスラロールはα・β受容体遮断薬で高血圧に適応を有する医薬品である。塩酸アモスラロールは他のβ受容体遮断薬と同様1個の不斉炭素があり,OH基があるためラセミ体(R(-)体・S(+)体それぞれ50%ずつの混合物)である。その異性体であるR(-)体・S(+)体の薬理作用に着目した。薬理実験をすると塩酸アモスラロールのR(-)体はほとんどβ受容体遮断作用だけであり,反対にS(+)体はほとんどα受容体遮断作用だけであった。そこでOH基を除いた化合物を合成して薬理実験をするとそれはほとんどα受容体遮断薬であることが判明した。しかも選択的なα_1受容体遮断薬であった。構造活性相関をはじめて塩酸プラゾシン(有名なα_1受容体遮断薬)と同程度の薬理活性のある化合物はいくつも合成に成功した。世界一α_1受容体遮断活性の強い化合物を目指してさらに合成・薬理実験を重ね最終的に塩酸タムスロシンに到達した。その経緯をご紹介したい。

収録刊行物

  • 化学と教育

    化学と教育 54 (3), 134-137, 2006

    公益社団法人 日本化学会

参考文献 (7)*注記

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