奄美大島および沖縄本島におけるシマアカザトウムシ(クモ綱:ザトウムシ目:カマアカザトウムシ科)の分子系統学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular phylogeny of <i>Kilungius insulanus</i> (Arachnida: Opiliones: Epedanidae) in Amami-Oshima Island and Okinawa Island
  • Molecular phylogeny of Kilungius insulanus (Arachnida : Opiliones : Epedanidae) in Amami-Oshima Island and Okinawa Island

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抄録

著者らは,琉球列島に広く分布しているシマアカザトウムシKilungius insulanusの単系統性を検証するために,琉球列島における奄美大島と沖縄本島からシマアカザトウムシを採集し,ミトコンドリアDNAのCOI領域に基づく系統樹を作成した.その結果,シマアカザトウムシの単系統性は高いブートストラップ値で支持された.さらに,下平・長谷川検定を用いてこの単系統性が統計学的に支持されることを確認した.また,本研究により,奄美大島と沖縄本島のシマアカザトウムシが島間で顕著に遺伝的に分化していることが明らかとなった.さらに,奄美大島の島内においても遺伝的に分化した複数の系統があることを確認した.シマアカザトウムシは分散能力が非常に低いことから,島内および島間で遺伝的に細分化されたことが考えられる.将来的に他の島の集団も含めた網羅的な遺伝的分析を進めることで,シマアカザトウムシの起源と多様化の歴史を明らかにできると考えられる.

収録刊行物

  • Edaphologia

    Edaphologia 96 (0), 1-7, 2015

    日本土壌動物学会

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