吉野川の歴史 (その5)
書誌事項
- タイトル別名
-
- History of Yoshino River (Part V)
この論文をさがす
説明
吉野川の過去の実態を豪農や庄屋の日記, 藩法や諸報告, 各種の民間治水論を検討することで想像しているが, 本論では明治時代に発刊された徳島の地方新聞を資料として検討した。吉野川は過去氾濫を繰り返して来たが, 現在下流平野は大堤防に護られて全てを忘れ去ったように見える。明治時代はこのような大転換を始めた時であって, この間には官側と民側の間の意識の違いのため, いろいろな事件が発生している。またこのような事件の間でも間違いなく洪水は発生している。したがって宮民の意見の対立と, それに大きな影響を与えたであろう洪水の実態を具体的に知るのは, 吉野川の歴史を調べる上できわめで興味深い研究テーマになる。本論ではこの目的のため, 宮側で編集した資料だけではなく, 民側の動きを記録している新聞を利用することを考えた。<BR>この結果洪水の持つ種々の型, したがって被害の状況の差を確認出来, また治水工事の計画の進展の過程と'洪水の発生を編年的に並べることにより, 個々の事件を歴史として連続的に解釈することが出来るようになった。この場合前記の被害の性格の違いを考慮すると, 解釈の興味は一層深いものになる。
収録刊行物
-
- 日本土木史研究発表会論文集
-
日本土木史研究発表会論文集 5 (0), 169-177, 1985
公益社団法人 土木学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679303619840
-
- NII論文ID
- 130004037961
-
- ISSN
- 18848133
- 09134107
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可