Dental treatment for the home-bound elderly patients in Toyonaka city

Bibliographic Information

Other Title
  • 豊中市における在宅者歯科診療の現況

Search this article

Description

豊中市においては, 昭和63年に厚生省より在宅寝たきり老人歯科保健推進事業モデル地区に指定されて以来, 本事業に本格的に取り組むこととなった。その具体的な実施にあたり, 当市では在宅老人歯科保健推進協議会 (本協議会) を設置し, 事業の多角的な企画・立案等を行っている。さらに同協議会 (専門小委員会) では, 検診後の症例にっき検討を重ね, 治療方針を決定している。そこで, 今回我々は, 当市における本事業内容の実績について調査するとともに, ADLと口腔内状態との関係についても比較し, 検討を加えた。調査にあたっては, 豊中市在住の65歳以上の在宅寝たきり老人で, 平成元年3月より平成2年7月までに往診依頼を受けた53名を対象とした。上記対象者にっき主訴を分類したところ, 全体の66.0%が義歯の不適合・破折を訴えた。したがって, 治療内容についても最終的に補綴処置にいたった患者は87%であった。さらに, 対象患者の内科的基礎疾患にっいては, 脳血管障害が20.8%で最も多く, つぎに循環器疾患 (15.1%), 関節リウマチ (11.3%) と続いている。しかしながら, これらの患者の約半数近くは定期的管理下におかれていないことが明らかとなった。一方, ADLと口腔内状態との関係に関しては, ADLの低下にともない口腔内状態も増悪し, 正の相関性を示す傾向が認められた。以上の結果より, 在宅寝たきり老人の歯科診療に際し, 十分な全身管理の必要性と予後の管理として, 咀嚼機能の回復, 維持を計り, 生活の質の向上に努める必要性が示唆された。

Journal

  • Ronen Shika Igaku

    Ronen Shika Igaku 6 (1), 86-92, 1991

    Japanese Society of Gerodontology

Citations (4)*help

See more

Keywords

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top