琵琶湖高島沖堆積物の花粉分析からみるMIS6, 5, 4, 3における植生変遷

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  • Orbital-scale vegetation variability during MIS 6, 5, 4, and 3 based on a pollen record from the Takashima-oki core in Lake Biwa, western Japan(Research Paper)
  • Orbital-scale vegetation variability during MIS 6, 5, 4, and 3 based on a pollen record from the Takashima-oki core in Lake Biwa, western Japan

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抄録

琵琶湖高島沖堆積物の花粉分析結果に基づき,MIS6,5,4,3における植生変遷の解明を行なった.MIS6の時期には,トウヒ属やツガ属からなるマツ科針葉樹林が琵琶湖周辺に広がっていた.最終間氷期前半においては,落葉ナラ類やブナを中心とした落葉広葉樹林が成立しており,冬季日射量に起因する冬の寒さによって常緑カシ類の生育は制限されていたと考えられた.冬季日射量増加により冬の寒さが穏やかになることで,最終間氷期後半には常緑カシ類の増加が起こった.また,最終間氷期を通してサルスベリ属の樹木が生育していた.その後,MIS 5にはスギやコウヤマキ,ヒノキ科の樹木からなる温帯性針葉樹林の拡大がみられた.特にMIS 5e, 5c, 5aの後半には,スギが優勢な森林が成立した.気候が寒冷化したMIS 4の時期には,ゴヨウマツ属やツガ属,トウヒ属からなるマツ科針葉樹林が再び拡大した.そして,MIS 3には冷涼な気候の下で,落葉広葉樹と温帯性針葉樹,マツ科針葉樹からなる植生が成立していた.

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