介護認定審査にかかる統計資料にみる歯科関連調査項目の現状と課題

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タイトル別名
  • The Present Condition and Problemes about Dentistry Related Assessment Itemes in The Materials of The Committee for Certification of Need for Longterm Care

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説明

介護認定審査会における要介護認定では, 訪問調査員による認定調査表の「基本調査」と「特記事項」, かかりつけ医による「主治医意見書」を参考に, 要介護度が判定される。<BR>しかし, 基本調査と特記事項の全85項目中, 歯科関連調査項目は, 「嚥下」, 「食事摂取」と「口腔清潔」のわずか3項目に過ぎず, また主治医意見書においても, 「歯科」受診の有無, 「嚥下性肺炎」の発生の可能性, 「訪問歯科診療」や「訪問歯科衛生指導」の必要性の有無, 「嚥下」や「摂食」についての介護サービス上の留意事項などに限られている。<BR>そこで, 介護認定審査にかかる統計資料 (507件, 平均年齢80.4±7.5歳) について歯科関連項目の調査状況を検討し, 以下のような結論を得た。<BR>1. 基本調査について: 要介護高齢者のおおよそ40%強は, 嚥下, 食事摂取, 口腔清潔において日常生活上何らかの介助を必要としていた。<BR>2. 特記事項について: 口腔清潔に何らかの問題があった事例に対する特記事項の記載率は, 40%弱と嚥下や食事摂取 (70~80%) に対してよりも低かった。<BR>3. 主治医意見書について: 訪問歯科診療や訪問歯科衛生指導に対する必要性の認識は極めて低く, 嚥下性肺炎や摂食・嚥下障害の可能性に対して歯科系介護サービスの必要性を認めた主治医はわずか3~5%に過ぎなかった。<BR>このような認定調査表や主治医意見書における歯科関連項目の調査, 記載状況を改善するには, 訪問調査員や医療関係者に対する歯科的知識の啓蒙や広報活動, 口腔アセスメント表の提案や特記事項の記載方法の指導など多方面にわたる努力が必要とされよう。

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 16 (2), 220-227, 2001

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (14)*注記

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