無花粉(雄性不稔)スギ品種の開発

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タイトル別名
  • A breeding strategy of male sterile Cryptomeria japonica D. Don cultivars
  • ムカフン(ユウセイ フネン)スギ ヒンシュ ノ カイハツ

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抄録

スギ花粉症に対する育種的な対策として,全く花粉を生産しない雄性不稔性の活用は極めて有望である.無花粉になるスギの雄性不稔個体は富山県で最初に発見され,その性質は一対の劣性遺伝子支配であることが明らかになった.その後,成長や材質など遺伝的に優れた性質を持つ精英樹の中から雄性不稔遺伝子をヘテロ型で保有するスギが4クローン発見され,これら精英樹を活用した優良な無花粉スギ品種が開発されるようになった.また,富山県以外でも無花粉スギが選抜されるようになり,現在までに7県から発見され,4種類の雄性不稔遺伝子が同定された.無花粉スギ品種は,各地でさし木等によるクローン増殖や室内ミニチュア採種園による種子生産が図られるようになり,緩やかではあるが本格的な普及も始まった.今後,品種改良された優良な無花粉スギ品種を活用することによって,従来の木材生産性を損なうことなく,花粉飛散量の軽減に繋がると考えられた.

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