TiAlN膜の残留応力深さ分布が切削性能に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of depth profile of residual stress on milling performance of TiAlN coating

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説明

PVDコーティング工具において,皮膜の圧縮残留応力値は硬度,弾性的性質,靭性,さらには密着性など膜の諸特性に対して大きな影響を及ぼすことから,その制御は切削性能向上を考える上で非常に重要である.たとえば,切削工具として現在もなお汎用的に用いられるTiAlNコーティング工具に対して,管球型のX線源を用いたsin2 Ψ法による残留応力評価は広く行われている.しかしながら,標準的なX線応力測定法では,膜全体の平均残留応力は測定できるが,コーティング工具として最も重要となる深さ方向の残留応力分布を非破壊で把握することは困難であった.本研究では,TiAlNコーティングの圧縮残留応力を制御して,とくに膜の密着性を維持しつつ膜の靭性を向上させることを目的とし,コーティング中の基板バイアス値を勾配変化させる手法を提案するとともに,その場合のTiAlN膜の残留応力深さ分布測定を大型放射光施設SPring-8で実施し,残留応力の深さ分布が切削性能,とくに刃先の欠損性に及ぼす影響に関して検討した結果を報告する.

収録刊行物

  • 砥粒加工学会誌

    砥粒加工学会誌 50 (12), 718-722, 2006

    公益社団法人 砥粒加工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679310554752
  • NII論文ID
    130004494391
  • DOI
    10.11420/jsat.50.718
  • ISSN
    18807534
    09142703
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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