若年層と比較した高齢者における顎関節脱臼に関する臨床的観察

DOI
  • 乾 明成
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 伊藤 良平
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 小山 俊朗
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 田村 好拡
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 長内 俊之
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 佐竹 杏奈
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 野口 貴雄
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 石崎 博
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)
  • 小林 恒
    弘前大学大学院医学研究科医科学専攻歯科口腔外科学講座(主任:小林 恒教授)

書誌事項

タイトル別名
  • Temporomandibular Joint Dislocation in the Elderly:A Clinical Study

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抄録

<p> 65歳以上の高齢者における顎関節脱臼の特徴を明らかにするために,2004年4月から2014年3月までの過去10年間に当科を受診した顎関節脱臼51例に対して臨床統計的に検討を行った。全症例のうち若年層は26例で,平均年齢は32.0歳であった。高齢者は25例で,平均年齢は78.1歳であった。性別は若年層で男性11例(42.3%),女性15例(57.7%)であり,高齢者で男性5例(20.0%),女性20例(80.0%)であった。来院経路は若年層,高齢者ともに医科からの紹介が最も多く,それぞれ14例(53.8%),17例(68.0%)であった。若年層は急性脱臼が8例(30.8%)であり,発症契機は欠伸が10例(38.5%)を占めた。高齢者は脱臼様式では習慣性脱臼が23例(92.0%),発症契機は不明が17例(68.0%)を占めた。なんらかの全身疾患を有していた者は,若年層で13例(50.0%),高齢者で23例(92.0%)であった。高齢者は精神神経系疾患が13例(52.0%)と最も多く,脳血管障害が7例(28.0%)であった。治療法は若年層では徒手整復後の経過観察が25例(96.2%),高齢者ではチン・キャップによる開口制限が12例(48.0%)で最も多かった。いずれも治療後は良好な経過を得られた。</p>

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 31 (1), 51-57, 2016

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

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