各年齢階層におけるオーラルフレイルと身体的フレイルに関連する兆候

DOI 機関リポジトリ オープンアクセス
  • 檜原 司
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 後藤 崇晴
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 柳沢 志津子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健福祉学分野
  • 中道 敦子
    九州歯科大学歯学部口腔保健学科
  • 市川 哲雄
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The Symptoms of Oral Frailty and Physical Frailty in Every Age Group
  • ―アンケートによる実態調査―
  • ―An Investigation by Questionnaire―

この論文をさがす

説明

<p> 本研究では身体的フレイルとオーラルフレイルに着目し,被験者自身が自覚する兆候の実態をアンケート調査を用いて検討した。アンケート調査に同意が得られた1,214名を対象とした。本研究は徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得て行った。身体的フレイルに関連する質問項目として,体重,疲労感,握力,活動量,歩行速度に関する5項目を,オーラルフレイルに関連する質問項目として,咀嚼や嚥下機能に加えて,残存歯,唾液,舌の機能に関する7項目を設定した。質問項目は4段階で評価させ,得点が高いほど虚弱傾向が強くなるように設定した。身体的フレイルに関連する総得点は,男女ともに60歳代が最も低く90歳代が最も高い値を示し,女性の場合60歳代の得点は70歳代と比較して有意に低い値を示した。オーラルフレイルに関連する総得点は身体的フレイルの得点と比較して,年齢階級が上がるごとに漸増する傾向が認められた。オーラルフレイルに関連する質問項目に関しては,一様の増加傾向を示す項目が多かったが,そのなかでも食べこぼし,嚙めない食べ物に関する項目の得点において,虚弱傾向を示す3点,4点を示す被験者数はともに50~60歳代間で有意に増加した。以上の結果より,オーラルフレイルにとっては50~60歳代が一つの重要な年代であり,特に「食べこぼし」や「嚙めない食べ物」に関する評価は重要である可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 32 (1), 33-47, 2017

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ