超精密加工機械の高精度化の研究

書誌事項

タイトル別名
  • Development of an ultra-precision machine tool
  • 第1報:自成絞り方式空気静圧スピンドルの高性能化
  • 1st report:Improvement of performance of an aerostatic bearing spindle with an annular restrictor

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説明

本研究論文は,超精密加工機械の高精度化を図ることを目的とした研究の一環として,自成絞り方式空気静圧スピンドルの剛性、回転精度および発熱に及ぼす諸要因の影響を調査し,スピンドル性能を向上させるための方策を論じている.自成絞り孔径φ0.5mmの軸受では剛性の観点からの適正軸受すき間が16μm~20μmとなるが,自成絞り孔径をφ0.05mmと小さくすることにより剛性は約1.7倍,空気流量は1/5になる.スピンドル回転時の心振れ測定にSPAM法を提案するとともに,軸端ねじ穴におもりを挿入して調整するアンバランス修正法を提案することによりmgfオーダの修正を可能にしている.スピンドルの回転数、軸受すき間の条件および使用材料によってはスピンドル部に数十度の温度上昇と数十μmの伸びが生じるが,軸受すき間と空気流量の調整により温度上昇を抑制するとともに,低熱膨張材であるインバーの使用と取付け面位置の工夫により熱変形量を数μmに抑制できることが示されている.研究では,自成絞り形式の空気静圧スピンドルの剛性,精度,発熱などに関する特性を明らかにするためタイプA,タイプBの空気静圧スピンドルを試作し,カーボンの利用,心振れの評価方法,アンバランス量の修正方法などを提案し,実験的に絞り孔径に対する適正軸受すき間,アンバランス量の修正の効果,発熱に対する熱変形対策など超精密工作機械に使用するに当たっての留意点を明確にした.また,自成絞り孔径を小さく(φ0.05mm)することにより,剛性の向上,空気消費量の減少が確認できた.

収録刊行物

  • 砥粒加工学会誌

    砥粒加工学会誌 51 (5), 302-307, 2007

    公益社団法人 砥粒加工学会

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679311418496
  • NII論文ID
    130004494424
  • DOI
    10.11420/jsat.51.302
  • ISSN
    18807534
    09142703
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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