脈波伝播速度(baPWV)測定値解釈の注意点について

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  • Attention for the Interpretation of Measurements of Brachial-Ankle Pulse Wave Velocity

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説明

脈波伝播速度は,今まで大動脈脈波伝播速度が主に測定され,動脈硬化との関連があることが知られていたがその測定法がやや煩雑であった。最近四肢血圧同時測定による上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)が測定可能となり,その測定法の簡便性からスクリーニングとしての有用性が示唆される結果が多く報告されるようになってきた。我々の施設にて人間ドックを受けたNTT社員においてbaPWVを測定した結果を報告する。対象者は男性1,272名,女性162名の計1,434名。<br>動脈硬化の危険因子である,高血圧,糖尿病,高脂血症,肥満を有する数とbaPWVは,危険因子の数に応じて有意に上昇した(p<0.0001)。しかしbaPWVは,年齢,性別などによって影響を受けることが知られており,危険因子間の影響を考慮し,多変量解析を試みると,baPWVを規定する因子として,収縮期血圧,年齢,心拍数性別,体格指数body mass index(BMI),中性脂肪が採択された。その中でも収縮期血圧や脈拍の影響も強くうけることがわかった。さらにBMIはbaPWVに対して負の影響因子として採択された。これらの結果より,baPWVの測定値を解釈する際には,年齢や性別だけでなく,血圧や心拍数に影響されること,肥満では測定値が低くなる可能性があることなどを考慮する必要があると考えられた。

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