上口唇に発生した基底細胞腺癌の1例

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タイトル別名
  • A case of basal cell adenocarcinoma of the upper lip

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説明

<p>基底細胞腺癌は,皮膚の基底細胞癌類似の上皮細胞の増殖を認める唾液腺癌で,比較的稀なものである。本腫瘍は主に耳下腺に発生し,低悪性度であるが,局所再発率は比較的高い。<br>今回我々は上口唇に生じた非常に稀な基底細胞腺癌を経験した。本症例は生検では確定診断がつかなかったが,全摘出後に基底細胞腺癌の確定診断に至り,上口唇小唾液腺由来と考えられた。<br>症例は70歳,男性で,腫瘍はほぼ上口唇全層に及んでいて,臨床所見でも皮膚への浸潤を疑がった。治療は腫瘍辺縁から5 mm離して上口唇の全層切除を行い,Abbe唇弁を用いて再建を行った。また,術後50Gyの放射線照射を行った。術後の病理組織学的検査では腫瘍は表皮への浸潤は認めなかった。術後1年9ヵ月で局所の再発および転移は認めず経過良好である。</p>

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