兵庫県に生息するホンシュウジカ(<i>Cervus nippon centralis</i>)における<i>Sarcocystis</i> の寄生状況

書誌事項

タイトル別名
  • Prevalence of <i>Sarcocystis</i> in Japanese Sika Deer (<i>Cervus nippon centralis</i>) in Hyogo Prefecture, Japan
  • Prevalence of Sarcocystis in Japanese Sika Deer (Cervus nippon centralis) in Hyogo Prefecture, Japan

この論文をさがす

抄録

兵庫県の山間部に生息する野生のホンシュウジカにおけるSarcocystis属原虫の感染率について調査した。捕獲した1歳未満から5歳齢までの64頭について,心筋,横隔膜,後肢運動筋,背部最長筋の各部位を調査した結果,52頭(81.3%)からSarcocystisのシスト(サルコシスト)が検出された。年齢別では,1歳未満の個体を除く1歳令から5歳令までの個体ではお互いの感染率間に有意な差は認められなかったが,1歳未満の個体ではすべてでサルコシストが認められなかった。寄生部位別では,背部最長筋での寄生率が他の部位と較べて有意に低かったが,その他の部位間では有意差は認められなかった。採材した筋肉10gあたりのサルコシスト数は心筋での値が他の部位に較べて有意に高かった。ホンシュウジカにおけるSarcocystisの感染率はこれまでに報告されている群馬県および埼玉県の個体でも高いことが報告されており,この高い感染率はわが国全体に拡がっているものと推測された。今回得られたサルコシストは卵円形ないし桿状を呈し,大きさは平均698.5×170.2μmであった。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ