シミュレーションモデルを用いた日本におけるBSEの最終摘発年の推定

  • 山本 健久
    農林水産省消費・安全局動物衛生課
  • 西田 岳史
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所疫学研究チーム
  • 西口 明子
    農林水産省動物検疫所精密検査部危険度分析課
  • 小林 創太
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所疫学研究チーム
  • 早山 陽子
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所疫学研究チーム
  • 筒井 俊之
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所疫学研究チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Future Course Prediction of the BSE Epidemic in Japan Using a Simulation Model

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説明

これまでに日本で実施されたサーベイランス及び防疫措置の再評価に寄与するため,BSE感染牛が日本の牛群から存在しなくなると考えられる年に着目し,今後の日本のBSE感染について予測した。2008年度までのサーベイランス結果から,誕生年ごとの感染頭数を,感染牛の生存期間を推定するシミュレーションモデルを用いた最尤法により推定した。また,推定感染頭数から,感染牛の死亡年と死亡時の状態を同様のモデルを用いたモンテカルロ法により推定した。本研究では,飼養形態の違いから,乳用牛と肉用牛で別々に分析を行った。その結果,1995年度から2001年度までの期間の総感染頭数は,最大で乳用牛で215頭,肉用牛で3頭と推定され,2009年度以降摘発期以前に死亡またはと殺され,サーベイランスにより摘発を逃れる個体はいなくなると推定された。また,乳用牛,肉用牛ともに2010年度に最後の感染牛が摘発されると推定され,日本の牛群からBSE感染牛はいなくなると推定された。2001年の初発事例以降,日本で実施されてきた防疫措置が不完全であることが明らかになった場合,今回の推定結果は再考しなければならないが,今回の結果はBSEのリスク管理やサーベイランス規模の再検討に資するものと考えられる。

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参考文献 (7)*注記

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