小児特発性ネフローゼ症候群―新たな治療戦略と今後の課題―

  • 飯島 一誠
    神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Idiopathic nephrotic syndrome in children: a new treatment strategy and future perspective

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要旨: 小児特発性ネフローゼ症候群の少なくとも20%の患者は,免疫抑制薬を用いても再発のコントロールが困難な難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群(難治性FRNS/SDNS)となる。このような病態の患者を対象として,リツキシマブの有効性・安全性を検証するための医師主導治験が平成20 年9 月より全国9 施設で実施され,リツキシマブが極めて有効であり,安全性も許容範囲内であることが明らかにされた。また,世界に先駆けて,我が国で,難治性FRNS/SDNS に対するリツキシマブの適応拡大が承認された。しかし,リツキシマブは難治性FRNS/SDNS を治癒に導くものではなく,より有効で安全な治療法の開発が必要である。また,特異的治療法(原因療法)の開発のために,依然として不明な小児特発性ネフローゼ症候群の原因の解明を急ぐ必要がある。

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参考文献 (22)*注記

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