ESBL(Extended-spectrum β-lactamase)産生菌とESBL 非産生菌による上部尿路感染症の臨床的解析

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  • Clinical comparison between childhood upper urinary tract infection due to extended- and non-extended-spectrum β-lactamase-producing bacteria

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要旨 単一施設の上部尿路感染症(upper urinary tract infection以下UUTI) におけるextended-spectrum β-lactamase (ESBL)産生菌の関与について検討した。A 群:ESBL 産生菌群とB 群:ESBL 産生菌以外のUUTI 群の2 群に分け,分離状況と年度別推移,年齢と性別,抗菌薬の感受性と投与期間,尿路奇形を主体とする基礎疾患の有無,予防内服の影響に関して比較検討した。対象は2009 年4 月1 日から2014 年3 月31 日までの5 年間の166 例で,A群は28例,B群は138例であった。年度別推移は,2009 年21 例(うちESBL 症例4 例)(以下( )内はESBL症例数を示す),2010年20 例(3 例),2011年28 例(1 例),2012年40 例(8 例),2013年57 例(12 例)であり,UUTI,ESBL 産生菌によるUUTI 症例共に増加していた。A 群の28例中12例に,感受性が耐性の抗菌薬を選択し,抗菌薬は変更せずに治療を終了した。1 例が,severe sepsisとなり抗菌薬を変更した。年齢,性別,尿路奇形,予防内服に関しては,2 群間で差はなかったが,A 群は,経静脈抗菌薬による投与期間が長かった。ESBL 産生菌のUUTI に占める割合は,増加しており,ESBL 産生菌を念頭においた抗菌薬選択が必要であると思われた。

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