群集間類似度評価のためのPCR-DGGE法による線虫の定量的検出

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  • Quantitative detection of nematodes by using PCR-DGGE for evaluation of community similarities

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抄録

線虫群集分析のためのPCR-DGGE法(DNA合成酵素連鎖反応-変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)の性能を評価する方法の1つは、得られたDGGEバンドパターンに基づくサンプル間の類似度が、同一サンプル群を形態同定で分析して得られた結果に基づくそれと相関するか否かを調べることである。しかし、野外のサンプル群を用いる場合は、電気泳動時に複数のバンドが重なったり、形態同定の精度が高くないなどの問題がある。そこで、種が明らかな培養線虫を混合して作製した人工群集を用いて検討した。PCR反応ではプラトーに達するまでは個体数などに応じた定量的な検出が可能であると期待されるが、実際に個々の線虫種のDGGEバンドの相対輝度は、群集中の個体数やバイオマスと有意に相関した(ケンダールのτ= 0.61 - 0.92)。また、相対輝度に基づいて算出した群集間の類似度も、やはり個体数やバイオマスに基づくそれと有意な高い相関を示した(ピアソンのr = 0.98 - 0.99)。従って、構成種数が多くない群集では特に、PCR-DGGE法が群集間類似度を検出する性能は高いと結論した。

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