高齢者褥瘡手術における成績向上の工夫

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  • Improvement of Surgical Outcomes of Deep Pressure Ulcers in the Elderly

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抄録

褥瘡は「床ずれ」とも呼ばれ,手術とは無縁の浅いキズのような印象を受けやすいが,皮下組織を超える深い褥瘡は難治性である.潰瘍から体液が絶えず漏出し低タンパク血症や創感染を繰り返し,時には年余にわたり患者のQOLを傷害する.
<br> 生体防御力が低下した高齢者では入院が長期化し,身体機能の廃用委縮を増悪させるなどの悪循環が懸念される.早く褥瘡を閉鎖して全身状態を改善させることは,早期社会復帰やQOL向上ばかりでなく看護・介護の省力化にもつながる.褥瘡原因の改善,薬物治療,創傷被覆材,体圧分散寝具などの保存的治療以外の選択肢に手術治療がある.<br> 
術式には様々な方法があり,とくに高齢者では個々の患者の状態や治療目的を考慮して侵襲の軽い手術を選択するが,治癒阻害因子を減らす工夫も治癒率向上につながる.<br> 
本論文では1998年から現在までに経験した仙骨部褥瘡手術125例を分析し,高齢者褥瘡手術の成績向上における様々な工夫を解説した.

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