術式選択に苦慮したcolitic cancerの1例

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タイトル別名
  • A Case of Colitic Cancer which was Difficult to Select Surgical Method

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説明

症例は54歳,男性。1987年,潰瘍性大腸炎(UC)を発症し,7年間治療後緩解,その後約10年間放置するも,経過は良好であった。2004年2月,上腹部痛認め近医受診,精査にて,横行結腸に小隆起性病変を伴った全周性狭窄による腸閉塞の診断であった。大腸内視鏡による病変部の生検で悪性所見はなく,low grade dysplasiaを認め,UCに伴った炎症性変化によるものが疑われた。また,横行結腸狭窄部分以外の生検ではdysplasiaを認めなかった。腸閉塞状態およびUCに伴う癌合併の可能性もあるため,2004年3月,2群リンパ節郭清を含む結腸全摘,回腸直腸吻合術を施行した。切除標本の病理組織検査にて,中分化型腺癌,深達度ssの進行癌を認め,リンパ節転移はなかった。UCの炎症の程度や状態により術前診断が得られにくく,癌合併を念頭においた場合,術式選択に難渋すると思われた。現在再発なく,経過良好に通院中である。

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参考文献 (3)*注記

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