巨舌を呈した舌対称性脂肪腫症の1例

  • 見立 英史
    福岡歯科大学口腔・顎顔面外科学講座口腔外科学分野 九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 川野 真太郎
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 清島 保
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔病理学分野
  • 三上 友里恵
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 後藤 雄一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野
  • 河津 俊幸
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔画像情報科学分野
  • 池邉 哲郎
    福岡歯科大学口腔・顎顔面外科学講座口腔外科学分野
  • 中村 誠司
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Symmetric lipomatosis of the tongue presenting as macroglossia: A case report

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抄録

舌対称性脂肪腫症(SLT)は,成熟した脂肪組織が両側の舌筋内へ浸潤性増殖する疾患と定義される。今回われわれは,巨舌を呈したSLTの症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。<br>患者は,両側舌縁部に無痛性で弾性軟,多発性の腫瘤を認めた71歳の男性である。舌縁部の外向性腫瘤により,患者の舌幅は下顎の歯列弓幅よりも広く,いわゆる巨舌を呈していた。両側舌縁部の腫瘤は,MRIのT1および T2強調画像で高信号,T2脂肪抑制像で信号低下を示した。生検組織の病理組織学的診断は脂肪腫であった。病変が対称性はないものの,両側の舌縁部にあることから,SLTと診断した。慢性心房細動に対して抗凝固薬を内服しており,術後の出血および腫脹による気道閉塞が懸念されたため,左右2回に分けて全身麻酔下に腫瘍減量術を行った。切除物の病理組織検査では,成熟した脂肪組織が舌筋組織内へ浸潤性増殖している所見がみられ,病理組織学的診断はSLTであった。術後2年経過したが,増大所見は認めない。

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