盲腸軸捻転症の2例

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  • Cecal Volvulus; Report of Two Cases

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抄録

症例1は32歳,女性.脳性麻痺で前医入院中であった.腹部膨満を主訴に当院を受診した.腹部X線検査,multidetector row computed tomography(MDCT)にて盲腸軸捻転症と診断した.内視鏡による整復術を行ったが,翌日再発を認めたために,腹腔鏡補助下右結腸切除術を施行した.術中所見では,卵巣と結腸間膜が癒着し,その部位を軸に遊離盲腸が捻転していた.症例2は90歳,女性.腹痛と下腹部膨隆を主訴に,当院を紹介受診した.来院時,腹膜刺激徴候を認め,MDCTと併せ盲腸軸捻転症による絞扼性イレウスと診断し,緊急開腹手術を行った.術中所見では,移動盲腸が捻転し,拡張した盲腸に多発性の縦走漿膜損傷を認めた.捻転解除後,右結腸切除術を施行した.盲腸軸捻転症は結腸捻転症の約5.4%と比較的稀な疾患であり,状況に応じて腹腔鏡手術を含めた治療選択が必要と考えられた.

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