唾液腺原発粘表皮癌の臨床病理学的検討

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  • Mucoepidermoid carcinoma of the salivary gland: A clinicopathological study

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抄録

1995年から2010年までに当科で加療した唾液腺原発粘表皮癌12例(男性6例,女性6例,平均年齢59.3歳)に対して臨床病理学的検討を行ったので報告する。<br>Goode分類による病理組織学的悪性度は低悪性度8例,高悪性度4例であった。年齢と病理組織学的悪性度との関連は,低悪性度の平均年齢は55.1歳,高悪性度は67.5歳で年齢差を認めなかった。性別との関連では,低悪性度は女性が多く,高悪性度は男性に多かった。頸部リンパ節転移との関連では,低悪性度はN0が多く,高悪性度はN1-3が多かった。臨床病期分類との関連では,低悪性度はstage Iが多く,高悪性度はstage IVAが多かった。原発巣制御率との関連では,低悪性度75.0%に対して高悪性度の制御率は25.0%と低下していた。生存率は,低悪性度の5年死因特異的累積生存率87.5%に対して高悪性度は25.0%と不良であった。同様に5年無病累積生存率も低悪性度72.9%に対して高悪性度は22.0%と不良であった。<br>Goode分類は粘表皮癌の予後予測として有用な病理組織学的悪性度分類であると思われた。

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