唾液腺腫瘍の画像診断について

  • 中山 英二
    北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系歯科放射線学分野
  • 大内 知之
    北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系臨床口腔病理学分野
  • 賀来 亨
    北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系臨床口腔病理学分野
  • 柴田 考典
    北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系組織再建口腔外科学分野
  • 有末 眞
    北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系顎顔面口腔外科学分野
  • 永易 裕樹
    北海道医療大学個体差医療科学センター歯科部門顎顔面外科学
  • 安彦 善裕
    北海道医療大学個体差医療科学センター歯科部門口腔内科学
  • 上野 繭美
    九州大学病院口腔画像診断科
  • 河津 俊幸
    九州大学病院口腔画像診断科
  • 吉浦 一紀
    九州大学病院口腔画像診断科
  • 浅香 雄一郎
    恵佑会札幌病院歯科口腔外科
  • 上田 倫弘
    恵佑会札幌病院歯科口腔外科
  • 山下 徹郎
    恵佑会札幌病院歯科口腔外科
  • 仲盛 健治
    札幌医科大学医学部口腔外科学講座
  • 平塚 博義
    札幌医科大学医学部口腔外科学講座
  • 針谷 靖史
    手稲渓仁会病院歯科口腔外科
  • 関口 隆
    手稲渓仁会病院歯科口腔外科

書誌事項

タイトル別名
  • Imaging diagnosis of salivary gland tumor

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抄録

唾液腺腫瘍は病理組織像が多彩であり,また,一つの腫瘍型の中にも多様な組織成分が混在するので,唾液腺腫瘍の病理組織学的診断は難しいことがある。それゆえ,唾液腺腫瘍において,良性と悪性の画像鑑別診断もまた困難なことがある。境界が画像上でほとんど明瞭のようであっても,実際は微妙に不明瞭である唾液腺腫瘍は悪性腫瘍のことがある。そこで,唾液腺腫瘍の画像診断においては,画像上の境界の明瞭度は非常に重要で,境界の明瞭度の注意深い判定は必須である。境界の明瞭度はCTではなく,超音波検査とMRIで判定されるべきである。さらに,CTとMRIでは,可能であれば,DICOMビューワー上で最適な画像表示状態で観察されるべきである。<br>大唾液腺腫瘍について:耳下腺腫瘍では良性腫瘍が70%以上であり,顎下腺腫瘍では40%が悪性で,舌下腺腫瘍では80%が悪性である。この事実は唾液腺腫瘍の画像診断をする上で重要である。境界が必ずしも明瞭とはいえない耳下腺腫瘍は悪性を疑う。画像所見が舌下腺から発生したことを示す病変は悪性腫瘍と診断されるべきである。<br>小唾液腺腫瘍について:腫瘍が小さい場合はたとえ悪性でも境界が明瞭なことがしばしばである。そこで,病変の境界が明瞭である画像所見は,その病変が良性である証拠とはならない。口蓋部の悪性唾液腺腫瘍では,画像所見として検出できない微妙な骨浸潤があることに特に注意を払う必要がある。口唇と頬部の唾液腺腫瘍には超音波検査が最も有用である。顎骨内に粘表皮癌が発生することについても注意したい。

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参考文献 (8)*注記

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