胃原発神経鞘腫の1切除例―自験例を含む超音波内視鏡施行21例の検討―

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  • A Case of Gastric Schwannoma–Review of 21 Cases with Endoscopic Ultrasonography–

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抄録

症例は47歳,男性。心窩部痛を主訴とし,精査にて胃前庭部小彎側に径5cm大の粘膜下腫瘍を認め,幽門側胃切除術を施行した。免疫組織学的検討ではS-100,ビメンチンにて陽性を示し,CD-34,平滑筋アクチン,デスミンで陰性を示し神経鞘腫と診断した。術前,神経鞘腫に対し超音波内視鏡検査(EUS)が施行された例は少なく,検索し得た限り自験例を含め21例であった。胃粘膜下腫瘍の鑑別診断の際,神経鞘腫はEUSにて腫瘍の存在層,内部エコーレベル,パターンなどについて最も高頻度に認める筋原性腫瘍と類似しているため両者のEUSでの鑑別は困難と考えられた。胃神経鞘腫は比較的稀な疾患であるが,悪性例も報告されていることより,より適切な治療を行うために胃粘膜下腫瘍の鑑別診断の際には念頭におくことも必要と考えられる。

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