緊急手術により救命しえたsegmental arterial mediolysis(SAM)による左胃大網動脈瘤破裂の1例

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  • Rupture of a Left Gastroepiploic Artery Aneurysm Due to Segmental Arterial Mediolysis–A Case Report

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<p>症例は79歳,男性,狭心症疑いで当院へ搬送され,精査の後血管内治療は施行せず入院となった.入院後状態は安定するも,翌日激しい腹痛と血圧低下および,造影CTで腹腔内に液体貯留と胃体中部に局在した造影剤漏出を認め,腹腔内出血と出血性ショックの診断で同日緊急手術を施行した.開腹所見では,腹腔内に多量の血腫と左胃大網動脈末梢からの活動性の出血を認め,同血管を含む大網を結紮切離し止血した.術後は再出血なく軽快退院となった.摘出標本の病理組織所見では,左胃大網動脈における急性動脈解離と,背景病変としてsegmental arterial mediolysis(SAM)の所見を認めた.腹部内臓領域の動脈瘤は比較的稀だが破裂すると予後不良であり,この成因の一つにSAMという概念が提唱されている.今回われわれは,SAMによる胃動脈瘤破裂の1例を経験したので報告した.</p>

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参考文献 (15)*注記

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