肝膿瘍を契機に発見された大腸癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Colon Cancer Presented with a Pyogenic Liver Abscess

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大腸癌が原因となる肝膿瘍の報告は少ない。今回われわれは, 肝膿瘍の原因となった大腸癌で, 術後1年6カ月後肝転移と診断し, 肝切除を施行した1例を経験した。症例は59歳, 女性。右季肋部痛, 発熱を主訴に受診し, 肝右葉前区域に径9×6cmの肝膿瘍を認め入院。経皮経肝膿瘍ドレナージを施行, 内容液の細胞診では悪性所見はなく, 原因菌はKlebsiella pneumoniaeであった。肝膿瘍の原因検索で行った大腸内視鏡検査でS状結腸癌と診断, S状結腸切除術を施行した。術後1年6カ月後肝膿瘍部に肝転移を認め, 肝切除術を施行した。現在再々発は認めていない。稀ではあるが, 肝膿瘍の原因疾患の一つに大腸癌を考慮する必要がある。また, 悪性腫瘍が原因と考えられる肝膿瘍では肝転移を伴うことを念頭に, 術前, 術後検査を行うことが大切である。

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